アーク溶接機のおすすめ機種&選び方【徹底解説】

アーク溶接機とはその名の通り、アークを使って溶接をする機械です。溶接とは簡単に言うと、熱で溶かした金属を使って金属同士を接合することです。

ちなみに「アーク」とはコンセントを抜いたとき、「バチッ!」となる電気を指します。 つまりアーク溶接機は、アーク(電気)を利用して金属を熱で溶かして接合する機械です

建設現場のほかにも「飛行機・自動車・鉄道車両」を作るシーンでかつやくします。ピンポイントに加熱ができ、小さな部品の溶接でも使用可能です(^^) コスパの良い機種がおおいため、多くの現場が活用しています。

あらゆる現場で使用するため、需要があります。需要に応えるため、さまざまなメーカーがたくさんの溶接機を販売しています。そのため「たくさんありすぎて、どれを選べばいいかわからない...」と悩む方も多いでしょう。

そこでこの記事では、アーク溶接機を選ぶ方法とオススメのアーク溶接機を厳選して紹介します! ぜひ、参考にしてくださいね。

アーク溶接機の選び方とは?

 アーク溶接機を選ぶときのポイントは下記の3つです。

-素材
-定格入力(使用電流・電圧)
-定格使用率

ムズかしい言葉もふくまれますが、どれもカンタンなことです(^^) 一つずつ見ていきましょう。

素材で選ぶ

先ほど説明したとおり、アーク溶接機は金属を溶かす機械です。
しかし金属と言ってもたくさんあり、種類・厚みはそれぞれ異なります
また、アーク溶接機には「直流」「交流」「ノンガス」の3種類があり、コストや性能が変わります
次章から一つずつ見ていきましょう(^^)

 

直流インバータ溶接機

直流インバータ溶接機の特徴は、安定性&コンパクトです直流でアークの安定性があり、初心者にもあつかいやすいです。通常のアーク溶接機は「交流」ですが、直流は「交流→直流」へ構造を変換しています。

デメリットは、メンテナンスがやや複雑です。「交流から直流」へ構造を変換しているためです。また、後述する「交流インバータ溶接機」よりコストが高いのもデメリット

そのためコストより作業性を重視する方は、直流インバータ溶接機がオススメです。 鉄・鋼・鋳物を溶接するときに、よく使用される印象です。

交流アーク溶接機

(引用:モノタロウ

交流アーク溶接機の特徴は、コスパ&シンプル構造ですコストパフォーマンスが良く、シンプルな構造となっています

そのためメンテナンスがカンタンです。デメリットは、アークが不安定で作業に影響が出る可能性があることです
初心者の方にとって、とりあつかいがムズかしいケースもあります。

交流は、アルミなど非金属を溶接するシーンでよく使用します。
性能よりもコストを重視する方は、交流アーク溶接機を検討しましょう。

ノンガス半自動溶接機

ノンガス半自動溶接機の特徴は、作業性UP &ガス不要です
基本、アーク溶接機を使用するときは「母材」と呼ばれる金属・溶接棒を溶かして作業をします。

(引用:ダイヘン公式サイト

そのため作業中に、何回か部材を手動で変更しなければいけません
しかし「ノンガス半自動溶接機」の場合、スイッチを押すと自動的に溶接ガンから部材が出ます。
つまり作業効率が良く、手動で交換する手間がありません
またガスを使わずに作業ができるため、ガスの準備も不要です。
※溶接機の中には、ガスを用意する必要があるものもあります。
ノンガス半自動溶接機のデメリットは、下記の2つです。

-溶接時、煙が発生することがある
-溶接をした箇所に金属粒が多めに出ることがある  

デメリットは上記二つですが、それ以上に作業効率が良く工場で使用していることが多いです。

定格入力(使用電流・電圧)で選ぶ

定格入力とは、「電圧」×「電流」と計算することで出る数字です
定格入力の数値が、契約しているアンペアを超えないようにしましょう。
たとえば定格入力が「4KVA」と、単位がKVAで表示されていたとします。 ※ちなみにK(キロ)=1,000キロです。

「4KVA」に当てはめると「4」×「1,000(K)」×「VA」=4,000VAとなります。
次に、消費するアンペア(A)を計算します。
なぜアンペアの数字を出すかというと、家庭で使用できるか確認するためです

アンペア(A)の数字を出すときは「VA」÷「電圧」です。
日本では100Vの電圧を使用するのが一般的なので、下記の計算となります。
「4,000VA」÷「100V」=「40A」 つまり「4KVA」と書いてあれば、40アンペア(A)が必要です。

家庭では、最大35Aまでで契約しているケースが多いと思います。
多少オーバーしても問題ないと言われることもありますが、使用するときは必ずチェックしてください。

※ただほとんどの機種は「定格入力:〇〇A」と表示しているので、この章は参考までにご覧ください。

定格使用率で選ぶ

定格使用率とは、10分のうち何分間「溶接」ができるかを示した数値です
ほとんどの機種は「」で表示しています。
たとえば「定格使用率:40%」と書いてあれば、4分間は溶接ができます

そして6分間は溶接機を休ませることがひつようです。 連続して長時間作業をするならば、定格使用率が高い数値の機種がオススメです。
定格使用率で定める時間をこえて作業をつづけると、オーバーヒートの原因になります

ちなみに定格使用率をこえると自動で電源を落とす機種もあります。DIY向けの溶接機は定格使用率が小さく設定されていることが多いです。かならず定格使用率をチェックしましょう。

※ちなみに「溶接機」はアーク溶接機以外にも種類があります。

詳しくは「【工具屋さん解説】溶接機の種類をわかりやすく解説してみた」を参考にしてくださいね。

アーク溶接機のおすすめ機種は?

ここからはオススメのアーク溶接機を紹介します。
直流・交流・ノンガス半自動の順番で紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね(^^)

直流・交流アーク溶接機

直流

スズキッド(SUZUKID)
100V専用直流インバータ溶接機
家庭用コンセント(100V)でも使用可能で、持ち運びも可能な重量です。
溶接をするときスムーズな作業ができると評判で、性能も合格点。 フェンスの製作やガーデニング、農機具の補修に向いています。
家でも使えることから、はじめて溶接機を買う方にもオススメしたい一台。
出力電流(A) 10〜60
入力電流(A) 2.2
使用率(%) 80〜30(φ1.4,1.6)
30〜20(φ2.0)
重量(kg) 5.5
日動工業
100V/200V兼用デジタルインバーター直流溶接機

デジタル表示で見やすい日動工業製のインバーター。

100V・200Vの切り替えが可能で、用途に合った溶接が可能です。
母材に適した電圧を設定でき、母材厚みは5mmまで使用できます。
出力電流(A) 100V:100A 200V:200A
入力電圧 単相100V/200V
使用率(%) 50
重量(kg) 7.6
ハイガー(HAIGE)
100V/200V兼用 アーク溶接機
(引用:HAIGE公式サイト
100V・200Vどちらでも使用可能な溶接機です。 ハイガー(HAGE)が販売しており、使用率は驚異の60%!
溶接機の中でも長時間の作業が可能で、業務用として使用する方ピッタリです
直流ならではの電流の安定感で、溶接棒が母材にくっつきにくいのもポイント。 専門的に使用する方は、こちらの溶接機がオススメです。
出力電流(A) 100V:20〜60 200V:20〜140
入力電圧(kW) 100V:0.95 200V:2.6
使用率(%) 60
重量(kg) 4.1
 

交流

スズキッド(SUZUKID)
交流アーク溶接機ホーム
(引用:SUZUKID公式サイト
家庭用として使用ができる交流溶接機です。
交流ですが、使用率オーバー防止機能がついているため初心者でもあつかいやすいのがポイント。 内部破損をする確率がグッと下がります。
1万円を切るコスパの良さで、手が出しやすい一台です。
出力電流(A) 40
入力電圧(V) 100
使用率(%) 20
重量(kg) 6
育良精機
アークファン

 

軽い溶接を行いたい方にピッタリなのが、育良精機製アークファン。 こちらも1万円を切るコスパの良さが特徴です。
薄い金属板など、カンタンな溶接であれば育良精機がオススメ。 ただ、交流なのではじめて溶接機を使う方にとっては少しコツがひつようです。
出力電流(A) 40
入力電圧 AC100V
使用率(%) 10
重量(kg) 8

ノンガス半自動溶接機

ハイガー(HAIGE)
半自動インバーター
(引用:HAIGE公式サイト

バイク整備・ガーデン補修にも使用可能なHAIGE(ハイガー)の半自動インバーター。安定した電流を供給するため、初心者の方にもオススメしたい一台です。 無段階のスイッチがついており、電流調整も楽々。

使用率が60%と高く、全体的に性能バランスが高い機種となります

半自動インバーターで迷ったらこの一台がオススメ。

出力電流(A) 50〜100
入力電圧(V) 100
使用率(%) 60
重量(kg) 7.1
育良精機
イージーアーク

 「小物などカンタンな溶接しかしないけど、作業は効率的にしたい」方は、育良精機のイージーアークがオススメです。

薄い母材ならばサクサク作業が可能で、 作業効率UPが期待できます。ノンガス半自動なので風が強く吹く現場でもかつやくし、溶接機から放射するノイズ対策の「EMC」も導入済。

出力電流(A) 90
入力電圧(V) AC100
使用率(%) 40
重量(kg) 6.5
スズキッド(SUZUKID)
アーキュリー
(引用:SUZUKID公式サイト
プロや専門的に使用する方は、スズキッド製アーキュリーも選択肢に入れましょう。200V専用なので注意が必要ですが、ノンガス・ガスの兼用です。使用率オーバー防止機能もついており、破損する可能性も低減。電流スイッチが4段階に切り替えでき、素材・厚みごとに溶接条件の変更ができます
出力電流(A) 30〜145
入力電圧(V) 200
使用率(%) 9
重量(kg) 26.2

溶接をするときに必要なものは?

最後に、溶接機を使用するときに必要となるものを紹介します。

溶接棒

物と物をくっつけるときに「ノリ」がひつようなように、金属と金属をくっつけるためには「溶接棒」がひつようです

溶接機単体では金属同士をくっつけることができないので、金属棒を購入します。 ちなみに金属棒の代わりにワイヤー状のものもあるので、溶接の種類によって購入を検討してください

ガス

溶接機を使用するときは、ガスもひつようです。 ノンガス半自動溶接機なら不要ですが、ガス・ノンガス兼用の溶接機なら購入の検討をしてください。

機種によってガスの種類も変わるため、説明書をしっかり確認しましょう。

サングラス/溶接面

溶接をするときは、強い光が出ます。 直接目で見てしまうと、目を痛める可能性が高いです。そのため専用のサングラス・溶接面を購入し、目を守ることをオススメします。

溶接面の中には、光が出たときに自動で遮光するタイプもあります。特にはじめて溶接をおこなう方は、ぜひ購入を検討してください。

防火手袋

溶接をするときは火花がバチバチと飛び、キケンな作業となります。手を守るために、防火手袋を用意しておくのも大事です

革素材が多く、数千円で購入できるので準備しておきましょう。
ちなみに作業用手袋については「作業用手袋の種類・選び方・おすすめ【2022年版】」が参考になります。

まとめ

いかがでしょうか?
今回はアーク溶接機の選び方と、オススメ機種を紹介しました。
アーク溶接は直流・交流・半自動とわかれており、コスパ面・性能面から選ぶことが大事です。

アーク溶接機の価格はピンキリですが、有名メーカーの機種だと2万円を超えることも...。そのため「なかなか手を出しづらい...」と悩んでいる方も多いと思います。

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