ランマーとプレートの違い【プロ徹底解説】
よく似た転圧工具であるランマーとプレート。
道路をならしている工事などで、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?
簡単にいうとどちらも地面を固めるときに使用する工具ですが、それぞれに特徴があり、建設現場では用途に合わせて使い分けています。
今回は、そんなランマーとプレートの違いやおすすめの商品をわかりやすく説明します。
・ランマーとプレートの違い
・ランマーとは?
・プレートとは?
ランマーとプレートの違いとは?
ランマーもプレートも、どちらとも土壌を固めたり、平らにならしたりする際に利用される締固め機です。
その中でランマートプレートの違いは「打撃力」と「接地面の広さ」です。
特徴 | |
ランマー |
・地面を固めるパワーが強い |
プレート |
・接地面の衝撃盤が大きく、固める地面の面積が大きい |
ランマーとプレートの用途の違い
ランマーは打撃力・転圧力が強く、装置の自重と上下に動く衝撃を利用して、地面をしっかり突いて固めるのに役立ちます。
一方プレートは、ランマーと比べて打撃力には劣りますが、プレートの方が転圧盤が大きく振動が小さいので、広い範囲を平らにならすのに適しています。
締固め機を選ぶ際には、粘土質の地盤など高い突き固め力が必要な場合はランマーを、路面などの地面を均等にならしたい場合はプレートを選択しましょう。
ランマーとプレートの仕組みの違い
ランマーとプレートは仕組みも異なります。
ランマーは衝撃盤の間にダンパーがあり、ダンパーが伸縮することで地面に衝撃を与える仕組みです。
一方プレートは本体に偏心ローターが入っており、その部分を回すことで地面に衝撃を与える仕組みとなります。
それでは下記からランマーとプレートをそれぞれ見ていきましょう!
ランマーとは?
(引用:三笠産業株式会社)
ランマーは、装置の自重と衝撃盤の上下運動による衝撃で地面を突き固めるための工具です。
タンピングランマーとも呼ばれます。
住宅の基礎工事や建築工事・埋設工事・側溝転圧などでよく利用されます。
強いパワーが必要なのでエンジン式のものが主流でしたが、環境への配慮と装置の重さも考えて電動式のものも普及していきています。
ランマーの重量は軽量タイプで40kg台、通常は50~80kgほど、成人男性ほどの重さがあります。
重量が重いほど転圧力は強くなり、ランマーの突き固め能力は地面の上面から30~50cmとされています。
衝撃盤(転圧盤)が小さいので、地面の一点一点をピンポイントに固めるイメージです。
使い方
- エンジン式のランマーを利用する場合は、エンジンをかける前にガソリンを入れましょう。 電動のランマーを利用する場合は、電源をしっかりと繋ぎましょう。
- エンジンをいれてスロットルバーを引くと、ランマーの上下運動が始まります。
- ランマーを前にして、後ろからゆっくりと押して進むように進行させます。
※必ずランマーを前にして、自身の体との距離をしっかりと取るようにしましょう。
ランマーは重く衝撃が強いので、足を踏まれると大けがをする恐れがあります。
ランマーの種類
ランマーにはそれぞれの用途に合わせていくつかの種類があります。
タンピングランマー
(引用:三笠産業株式会社)
通常、ランマーと呼ばれるものはタンピングランマーを指します。
上下運動により衝撃を与えるその使用から、その名前がついています。
エンジンで駆動するタイプが主流なので、エンジンランマーとも呼ばれます。
電動ランマー
(引用:三笠産業株式会社)
電動ランマーはタンピングランマーの電動タイプです。
従来のエンジン式のものよりもパワーは多少劣りますが、環境への配慮や扱いやすさも考慮された電動タイプも流通してきています。
エンジン式も電動式も同様に、高打撃タイプや低音・防音タイプもあります。 サンドランマー
(引用:中谷機械製作所)
サンドランマーは、鋳物砂固めや耐火煉瓦固め、ガス・水道工事の埋め戻しダム・土木工事に適しているタイプのランマーです。タンパーとも呼ばれます。
よりピンポイントに突き固めすることができ、軽量な上に強力で、反動が少ないという特徴があります。
主なメーカー
(引用:株式会社明和製作所)
明和製作所は、1945年設立の埼玉県にある建設機械の製造・販売を手掛けるメーカーです。
高品質・高性能な小型の建設機械の製造を得意としており、日本はもちろん世界の道路やインフラ整備の一助を担っています。
代表的な商品として、振動ローラー・ランマー・プレート・コンクリートカッター等があります。
三笠産業
(引用:三笠産業株式会社)
三笠産業は、1937年創業、東京に本社を構える建設機械の製造・販売を手掛けるメーカーです。THINK HARMONY(調和)をモットーに、人・機械・社会の調和を考慮しながら、製品開発を行っています。
世界が認める確かな製品力を武器に、海外展開も盛んな会社です。
代表商品
明和製作所 タンピングランマー RTX60DU(引用:株式会社明和製作所)
標準価格:558,000円(税別)
明和製作所のタンピングランマーRTX60DUです。
打撃力は10~10.8kNあるので、パワフルに使えます。
打撃板にウレタン素材を使用することよって実現した低騒音設計になっており、長時間の作業も快適にこなせます。
(引用:三笠産業株式会社)
本体価格:498,000円(税抜)
三笠産業のエンジン式ランマーMT-66Hです。
打撃力は10.8~12.7kNあり、パワフルに活躍します。
ハンドルの高さは800mm~850mmの高さにあり、誰が使っても操作しやすいように考慮されています。
作業者への負担を軽減し、作業効率を高める防振ハンドルになっています。
(引用:三笠産業株式会社)
本体価格:350,000円(税抜)
三笠産業の電動ランマーMTX-M55です。 電動式ですが、打撃力は7.3~8.3kNあり、パワフルに使えます。
新設計のクラッチドラムにより、摩耗粉を遠心力にて自動排出する構造になっています。
ハンドルの防振ゴムには、万一のゴム破損時でも期待の落下を防止できるピンが内蔵されています。
ウレタンフートによって、衝撃音を緩和させる仕組みにもなっています。
より詳しく見たい方は以下のランマーをイチから紹介している記事もご覧ください!
プレートとは?
(引用:アクトツールオンラインショップ)
プレートは、本体を振動させることにより、特に表層の転圧作業に向いている工具です。
路面の砂や砂利の転圧や、アスファルトの転圧・表面仕上げなどによく利用されます。
ランマーと違って目に見えた上下運動はなく、振動によって地面を締め固めます。
プレートの重量は30~80kgほどあり、重量が重いほど転圧力が強くなります。
基本的にはランマーと比べて軽量のものが多く、プレートの突き固め能力は地面の上面から5~10cmとされています。
使い方
- エンジン式のプレートを利用する場合は、エンジンをかける前にガソリンを入れましょう。 電動のプレートを利用する場合は、電源をしっかりと繋ぎましょう。
- エンジンをいれてチョークレバーを引くと、プレートの振動が始まります。
- プレートを前にして、後ろからゆっくりと押して進むように進行させます。
プレートの種類
軽量型~重量型(引用:アクトツールオンラインショップ)
プレートはさまざまな重量タイプがあるので、用途に合わせて選ぶようにしましょう。
40kg台の軽量型タイプから、60~80kgタイプの主力のタイプ、80kg超えの重量タイプもあります。
重量と転圧力はほぼ比例しているので、重くなればなるほど転圧力は上がりますが、取り回し性が低くなり扱いづらくなります。
転圧盤の幅狭~幅広
(引用:アクトツールオンラインショップ)
プレートは、転圧盤の幅の広さでも選ぶことができます。
幅が広いほど一度に転圧できる面積が広くなるので作業効率が上がりますが、転圧盤の幅が広くなればなるほど取り回し性が悪くなり、扱いづらくなります。
作業範囲が広い場合は転圧盤の幅が広いものを、狭い場合は転圧盤の幅が狭いものを選ぶと小回りが利いて作業しやすくなります。
主なメーカー
明和製作所(引用:株式会社明和製作所)
三笠産業(引用:三笠産業株式会社)
ランマーと同じく、明和製作所と三笠産業が主流メーカーとなります。上記で説明しておりますので、こちらでは割愛します。
代表商品
明和製作所 プレートコンパクターKP50(引用:モノタロウ)
標準価格:372,000円(税別)
明和製作所のプレートKP50です。
振動板の材質には高張力鋼板が使用されており、耐久性に優れています。
吊りフックが装備されており、積み込みや積み下ろし作業を安全かつ便利に行えます。
また、中折れハンドルを標準装備としています。
(引用:モノタロウ)
標準価格:326,000円(税別)
明和製作所のプレートHP50です。
振動板の材質には高張力鋼板が使用されており、耐久性に優れています。
二段曲げ振動板が採用されているので、パッチング作業やすりつけ作業による振動板の早期摩耗を防げるようになっています。
さらには摩耗対策として、振動板の後ろも補強されています。
中折れハンドル式なので、ライトバンへの積込みが容易も容易です。
(引用:三笠産業株式会社)
販売価格:258,000円(税抜)
三笠産業のプレートMVC-40Hです。 土砂や砂利の敷きならしや、アスファルト舗装の仕上げ作業など、表面を平坦にする作業に適しています。扱いやすく、エンジン掛けもスムーズに行えます。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、同じ締固め機で似たところのあるランマーとプレートについて詳しく説明をしていきました。
どちらもよく似た工具ですが、工事現場では用途によって使い分けて利用されています。
利用する際には、安全に気を付けてケガのないように注意してくださいね!
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